海外には大麻の使用を合法化した国や地域もありますが、日本では法律により、大麻の所持や使用が厳しく規制されています。
それでも、約80年前までは日本においても大麻は一般的に栽培され、日常生活に密接に関わっていた事実はあまり知られていません。
今回のG-MAGAZINEでは、日本における大麻の歴史について解説していきます。
本記事の目次
1.日本の大麻の歴史
2.実は大麻は生活必需品になっていた?
3.戦後に大麻取締法が制定された
4.日本の大麻規制の最近の動き
1.日本の大麻の歴史

日本の歴史における大麻の役割は、驚くほど古く、縄文時代に遡ります。この時代の人々が大麻を娯楽目的で使用していた訳ではなく、日常生活における重要な素材であったのです。
古代日本での大麻の使用は、宗教的儀式や日々の暮らし、文化的要素と深く結びついていました。例えば、多くの日本人に親しまれている七味唐辛子にも、麻の実が含まれています。
神社における神聖なしめ縄や、天皇が行う儀式に用いられる衣服は大麻繊維から作られており、相撲の横綱の象徴である綱や、昔の漁網も大麻から作られたものでした。
これらの事例からもわかるように、大麻は日本の宗教、文化、飲食、衣服を含む多様な分野にわたって、長い歴史を通じて人々の生活に根ざしてきました。
2.実は大麻は生活必需品になっていた?

長い日本の歴史を通じて、大麻がレジャー目的で使用されることは一般的ではありませんでした。実際、大麻は稲作が始まるよりも早く栽培されていたとも伝えられています。
縄文時代、約1万年前からの考古学的発見によると、大麻繊維を使った麻縄が見つかっており、これが日本における麻使用の最も古い証拠とされています。その後の弥生時代には、衣服の主要素材として麻布が使用されていました。
特に江戸時代には、麻製品のリサイクル技術が進み、着古した麻衣を再利用して麻紙を作り、それを障子紙などに使用する技術が発展しました。また、この時代には大麻の種を加えた七味唐辛子も登場しました。これらの事実からも、大麻がどれほど日本人の日常生活と結びついていたかが伺えます。
3.戦後に大麻取締法が制定された

かつて、衣服、食料、薬品の生産や戦争に必要な物資の供給源として重宝されていた大麻ですが、戦後の日本での扱われ方は一変しました。
昭和23年(1948年)に大麻取締法が制定され、大麻草の栽培は厳しく制限されるようになりました。
大麻草の栽培は、免許を受けた人に限って認められる制度になりました。この免許制度は、法律の名前や内容を変えながら、現在も続いています(今の法律の名前は「大麻草の栽培の規制に関する法律」です)。
4.日本の大麻規制の最近の動き

海外では、カナダやアメリカの一部の州のように、医療目的以外の大麻の使用を合法化した国や地域があります。
一方、日本では、大麻の規制が続いています。
2021年(令和3年)には、厚生労働省の検討会で大麻の「使用」に対する罰則の導入が議論され、2023年(令和5年)12月に法律の改正が成立しました。
この改正により、2024年(令和6年)12月12日から、大麻の不正な使用にも罰則が適用されています。あわせて、大麻草から製造された医薬品を使えるようにするための規定も整えられました。日本では、大麻に対する厳しい規制が続いています。


